対話分析とは、クライアントが課題としている特定の交流中に出現している「お互い」(クライアントとその相手)の自我状態がPAC中のいづれの状態かを特定してそのしくみを分析し、適切なコミュニケーションが取れるように促してゆく方法です。交流パターンは最もスムーズで適切な①相補的交流、お互いの自我状態の位置の違いによりずれが起こりやすい②交差的交流、そして一見適切な交流に見えてネガティブな本心が隠れている③裏面的交流に分かれます。
①相補的交流
:例えばお友達(C)同士の交流で「楽しいね!」「そうだね!」と同調する感じ、患者(C)が医師(P)に「先生、私の症状は治るでしょうか?」「(暖かく)大丈夫ですよ~、一緒に治してゆきましょうね(P→C」など、お互いに思っている感情交流がストレートに出来ているさまを相補的交流といいます。この交流パターンは長く続く傾向があるようです。
②交差的交流
:たとえば道を尋ねたいとき「あ、すみません、〇〇はどう行ったらいいんですか?」(A→Aの意図)と聞いたときに「あなたはきれいな人ねえ」(C→P)と別次元な答えが返ってきた場合や、家庭での喧嘩で妻が夫に「いい加減少しは家事を手伝ってよ!」(P→C)となじった場合夫は妻に「俺のほうがよっぽど重要な仕事を任されているんだ!)(P→C)と、お互いに上から目線でコミュニケーションが交差する場合など。このパターンは途切れやすい傾向にあります。
③裏面的交流
:例えば夫婦同士の会話で「お隣さんは車を買ったみたいね」「そうだね」という会話がAとAで成り立っているように見えるが、本心はお互いに「それに比べてうちは。。」「お前だって仕事増やせよ」と、お互いにP→Cのパターンで張り合っている場合など。また、会社の同僚同士の会話で「〇〇さんは仕事が丁寧ね」「いえいえ、△△さんは仕事が早いです」という一見A同士の会話は、内心「〇〇さんは仕事が遅いのよね」「△△さんは、早いけど雑よね」という本心が見え隠れしている場合。情緒が入っていなければA→Cだが、そうでない場合はやはりP→Cとなります。この交流も、ネガティブな気持ちが本心であるので、ぎこちない交流になります。
TAセラピーでは、「気になる」交流を何通りか分析してクライアントの課題点を明確にして、その後建設的な関係性を持つにはどのようなパターンで挑むとよいのかを話し合います。
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